Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
そしてそれはすぐさま恐怖へと変わろうとして、男達は思考を遮断された。
一人、また一人と、サラの周りにいた男達はウィラの右側にいた男を残し、糸が切れたマリオネットのように破裂して倒れていく。

サラ〔!?……私が……外した〕

周りの男全てを狙ったはずが、まだ生きている男がいる。
まだ躊躇があるのか。

馬鹿な。迷いなどあるはずがない。
だってここに来る前に決めたから。

───私は、ハリーの仇をとるために何人でも殺すと。

乾いた笑い声が公園中に響き渡る。

ジャングルジムが吹き飛び、男達が一人を残し死んだ後で静寂を取り戻した夜の公園に、再び血塗られた幕が開こうとしていた。

ウィラ「話し合いに来たっていうのに、酷い事する子ねぇ」

サラ〔……この子……〕

不気味なオーラを纏わせるウィラは、あれだけの惨劇を目の当たりにして、全く動じていない。むしろ楽しんでいるように見える。

ウィラ「仕方ないなぁ……それにしても、もっと綺麗に片付けられないの?例えば、こんな風に……」

ウィラと生き残った男の視線が合う。
途端、男は狂ったように、いや、事実、発狂しながら一目散にウィラの側から離れていった。

「ひっ!た、助けてえええ~~~~!!!!母ちゃ~~~~~ん!!!!!!」

泣き喚きながら男が公園の入口まで辿り着いた時だった。
逃げた男の体は、まるでそこに見えないワイヤーが張ってあったかのように縦横十字に切断され、男は絶命した。

ウィラ「ウフフッ、母ちゃーんだって、可愛いわね。役に立たない男だったけれど、死に際くらいは鮮やかじゃないとねぇ」

サラ「あなた……まさか……」
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