Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~








ストリクト・ヴィアムは大学で講師を勤めている。
小さい頃から何でもそつなくこなし、周りの助けも借りなかった彼女は、後に小学校から大学までを全てトップの成績で卒業した。
それからというもの、教師を両親にもつストリクトは、両親のような、いや、両親以上の教育者になることを目指す。
両親はそんな娘を誇りに思っていたし、ストリクト自身、自らの才能と努力を信じていた。

そうして晴れて大学講師となったストリクトは偉業を成していった。
彼女が、卒業するまで教えた生徒の中には落ちこぼれなどいなかったし、いたとしても、彼女の指導により見事に卒業していった。
そして卒業式になると、「ストリクト先生と別れたくない!」と号泣する生徒が後を絶たないという。
それほどストリクトは人望も信頼も厚かった。

しかし優秀すぎる彼女はどこの大学でも喉から手どころか足がでてきそうなほど欲しい人材であったが、彼女はその全ての勧誘を断ってきた。
要は、出張といえば聞こえはいいが、今回のアメリカ訪問もその実、名ばかりの、勧誘お断りのための旅行であった。

そして彼女は今、ホテルの一室にいる。
最上階のVIPルームで作業をするストリクト。

部屋に入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、壁側を全て夜景の見えるようにした窓。丁寧に整えられた漆黒のデスクセットに、天井のシャンデリアはサラの実家のシャンデリアなど比べものにならないほど高く、なんかガラスの代わりにダイヤがちりばめられている。
シャワールームなどは本当に広くて豪華で、新築では?と勘違いされるほど手入れが行き届いていた。
テレビは当然、"普通"の大型液晶テレビが3台。
ただの職務をわざわざVIPルームまで借りて行うのは、「静かな場所で仕事をしたい」という彼女自身の所謂趣味というか、こだわりだった。
< 55 / 90 >

この作品をシェア

pagetop