花霞む姫君
「まあ、皆さん、そういうわけで。」


叔父さんは少し緊張をほぐしたいのかなんなのか。
何回も咳払いをする。

「妹の伊世子が死にまして。堀内の直系の女子は、花澄ひとりとなりました。」



は?



私の話?



お母さんをチラ見するが、怖い顔をしたまま動かない。
お父さんもおなじだ。



確かに…
お父さんは三人兄弟で。
叔父さんの子供は翔太と、弟の幹太だけ。

亡くなった叔母さんに子供はいない。
というか、多分結婚してない。

私は一人っ子。


だけど…?
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