〈BL〉愛してる
なるべく、学校から
遠い方がいい……

俺達の関係が
バレたら今みたいな
幸福(しあわせ)な
生活は送れない。

さっき考えてた事が
現実になるのだけは

絶対に嫌だ……

「どの辺がいいかなぁ?」
と言いながら
桜香が携帯を出した。

「やっぱり、
近場が多いね……」

携帯の画面を見ながら
眉間に皺を寄せている。

此処はダメあそこもダメと
携帯と睨めっこしてる
その様子を俺達三人は
黙って見ている。

睨めっこから三分程して
いい場所を見つけたらしい。

そして、お花見当日、
現地集合ということで
俺と桜香は
電車に揺られている。

お花見会場には
最初、龍也の車で
行こうかという話しだった。

しかし、俺が
電車にしようと
言ったのだ。

勿論、龍也の車でも
別に良かったが
電車にした
理由(わけ)は二つあった。

一つ目は龍也と
李雄先生が
疲れるだろうと
思ったから。

二つ目は
誰かに見られたら
大変だから。

俺は今が
幸福(しあわせ)過ぎて
時々怖くなるんだ……

お弁当は桜香と龍也が
作り、レジャーシートや
おやつ等は
俺と李雄先生で用意した。

駅に着くと
二人はもぉ着いていた。

「二人共早いな」

待ち合わせ時間より
二十分程早いのに。

「早く来るのは
教師の性ですよ」

つまりは習慣ってわけだ。

「何分くらい待ってた?」

龍也達は
どれくらい
待ってたんだろうか?

「そんなに待ってないさ」

李雄先生から
少し曖昧な
答えが返って来た。

こりゃ十分以上
待ってたな……

まぁいいかと
心の中で完結させ、
四人で目的地である
お花見会場に
向かったのはいいが
今、俺と桜香は
現在進行形で不機嫌である。

何故かというと
龍也と李雄先生が
逆ナンにあってるからだ。

周りから見れば
俺達がカップルに
見えないことは
百も承知だが
ムカツクものはムカツクのである。

龍也と李雄先生が
困りながらも必死で
断ってるにも
関わらずしつこい!!

せっかくの
ダブルデートが台なしだ……

イライラしながら
その光景を見ていたら
龍也がこっちに歩いて来た。
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