xxxFORTUNE



「でも───」

言いかけた愛琉さんの声を無視して、そのまま洋館の外に出る。



と、門をくぐる寸前に、名前を呼ばれた。

「すず、出掛けるなら傘持っていきなよ。
今日、天気悪いみたいなんだ」

振り返ると、里音が傘を片手に近寄ってくる。


「ありがとう」

傘を受け取るとお礼を告げて、今度こそ洋館を出た。




あたしは、明日エシャルに帰る。


里音は、せっかくだからパーティーでもしようと言ってくれた。

佐久間さんも喜んで同意してくれた。


だけど、半年もお世話になったみんなに何かお礼がしたくて。

それで、順番に何がほしいかを訊いて回っていたところ。


里音には、一番最初に訊いたんだけど“何もいらない”としか言ってくれなくて………


とりあえず、愛琉さんの言っていた四つ葉のクローバーを探してプレゼントしてあげよう。

幸せになれるなら、贈り物にぴったりよね!



傘を持って街へ出て行く。

しばらくしてから、あたしは重大な事実に気がついてしまった。



四つ葉のクローバーって、どこにあるの?






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