希望という名のきみへ


落ち着き払った永遠の様子とは裏腹に、その飛行は実に荒っぽいものだった。


通常一人分の重さを担う為のシールドスキンが、二人の重さを担っているのだ。

降下というよりは、落下に近い。

それでもこれ以外に泉に下りる方法はない。

永遠を信じてしがみつく。

わたし達は瞬く間に繁る木の枝に打ち付けられ、地表に到達した。



辛うじて意識があったのが幸いだった。
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