Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…写真、ですか?」
棗さんの手元には、愛用のカメラがある。
私が尋ねると、棗さんは静かに頷いた。
「…わざわざどうしたの。」
ちらりと私を見て、棗さんがそう言う。
…言い方は冷たいけれど、それが棗さんの優しさなんだと私は知ってしまった。
「棗さん…、私 」
だからこそ、私はきちんと伝えなきゃいけない…。
「…私、棗さんの気持ちには応えられません。ごめんなさい…!」
そう言って頭を下げて、しばらくしても…
棗さんからは、何の言葉も発されない。
不安になって顔を上げた…
と同時に、カシャリと澄んだ音が響いた。
「…え?」
瞬きすると、そこにはカメラを構えた棗さん。
私が、自分が撮られたということを理解するには、ずいぶん時間がかかった。
「…ふ、陽依なら、そんな顔すると思った。」
呆然とする私を見て、棗さんが笑いをこぼした。
「…え?」
泣きそうになりながら棗さんを見ると、棗さんも泣きそうな顔で笑った。
「…ありがと、陽依。」
棗さんのその言葉を聞いたとたんに、ぽろぽろと水滴が頬を零れていく。
「どーして…どうしてお礼なんて言うんですか〜…」
私が言葉に詰まりながらそれだけ言うと、棗さんは私の頭にそっと手を置いた。