Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜




「あ〜っ疲れた〜…ずっとデザイン描いてるとさ、肩凝るよね。」

「よね、って、同意求めんな。経済学の本読んでる方が肩凝るっつの。」



夕食の香ばしい匂いに誘われてか、みんなぞろぞろとダイニングテーブルに集まってくる。

みんな、忙しい時以外は必ずここに集まって、一緒にごはんを食べる。
当たり前のことなんだけど、毎回私は少し嬉しくなるんだ。




そんな中、遥季とたっくんが言葉を交わす。


「へぇ、遥季も勉強するんだ。」

私が驚きながら言うと、遥季に睨まれてしまった。




「…そりゃあ、勉強なんてしたくないけどな。でもやっぱ、跡継ぎたいし。」

チキンの香草焼を頬張りながら、なんでもなさそうに遥季はそう言った。




…遥季にとっては、なんでもないようなことなのかもしれないけれど、私にはとてつもないように聞こえる。

果てしなく大きな世界に、遥季がいるような気がした。






…樹さんは、もうレストランの経営もしていて。

夕都は既にミリオン小説家で、今後がかなり期待されている。

たっくんも、最近は多くのブランドのデザインを手掛けていて忙しそう。

棗さんの写真集は相変わらず綺麗で、もうすぐ個展が開かれるって話も聞いた。

…遥季は何も考えてなさそうだったのに、意外とちゃんとしてるし…。

竜君は…
未だに謎だけど。





だけど、みんな、自分のやりたいこと見つけて、確実に未来へ進んでいってる。


じゃあ、私は…?










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