繋ぐものと、確かなこと。











騒がしい店内。



色とりどりのカクテル。
水滴の付いたロックグラス。



飛び交うものは、笑い声。



そしてその間を行き交う着飾った女達。






不景気だのと言われているが、平日の遅い時間帯にここまで流行れば暫くは安泰だろう。





俺は今、"キャバクラ"にいる。




「やーだ、ヨシくん全然飲んでないじゃーん!」





「今日は鈴木に付き合っただけだから飲むつもりじゃなかったんだよ…ってお前酔っ払ってる?」




「だーってヨシくん飲まないからボトル減らないんだもーん。つーか鈴木さんに付き合っただけとか言って毎週のように来てんじゃん!(笑)もおーそんなにレイナのこと好き?」



「言ってろ。」



「やー冷たい!相変わらずドSですな(笑)ね、ね、もう一本いい?」



「…潰れんなよ」



「ゴチでーす♪お願いしまーす!エノテークもう一本!」





…二月前、仕事の付き合いで歌舞伎町のこの「SENCE」に初めて飲みに入った



六本木・歌舞伎町などのキャバやクラブには仕事を始めて以来、良く足を運ぶ。


別に女に飢えているワケじゃない。



24歳で今の不動産業に手を出してからは金に困ったことはないし、ルックスの自己判断はし難いが…184センチの高身長もあり割りとモテる方だとは思う。



加えて去年29歳の時、金融業にも手を出し始めてからと言うものの更に顔も広くなり、モデルや芸能人なんかとも飲む機会が増えた。
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