繋ぐものと、確かなこと。
俺は所謂、彼女というものを作るつもりが全くない。


女は強欲で身勝手だ



見てくれや収入が良いとホイホイ付いてくるし、


外見ばかり取り繕って後先を全く考えない。




金やステイタスを手に入れると、軽く人間不信にもなるもんだ。











"それくらい"の女


つまりお互い"目的"を理解し合えていて、かつ割り切れる関係のプロの女が一番荷が軽いし、面倒臭くない。



その点、今の指名嬢はサバサバしていて話しやすく、夜が長いこともあり空気も読める。


明るいベージュの髪に華奢で小柄な身体、派手なネイルにカルティエのアクセサリー…


少々ギャルっぽい容姿だが店自体は全体的に黒を基調とした内装で品を感じさせる。
仕事で来るには持ってこいの店と嬢だった。





「おい風間ぁ〜酒が減ってねーぞー」



「鈴木…お前も酔っ払ってんのかよ!」



同期の鈴木が身を乗り出して俺に酒臭い息を吹き掛け喋る


その腕は隣に付いた嬢の細い肩を力の加減も知らずにしっかりと抱いていて、時折歪んで見せる苦悶の表情を俺は見逃さなかった





(…俺だったら即、手が出るけどな)






…注がれたシャンパンを飲み干したと同時に、付け回しの黒服の"レイナさん"という事務的な呼び声が鈴木に付いた嬢への同情心を消し去った



「ヨシくん、ちょっと行ってくんね〜」




「お前、ボトル入れた途端それかよ(笑)」




「レイナに言わないでよー!あいつが悪いの、あ・い・つっ」
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