ONLOOKER Ⅲ

乃恵



翌日の放課後、やはり直姫は、生徒会室にいた。
単位のためというのも理由ではあるが、直姫は生徒会としての仕事(仕事とは、例えば今日の場合、主に各部長などから上がってきた文書類の確認作業で、それは今聖と紅だけが真面目に行っている)をしているわけでもなく、いつもの自分の席で個人的な作業に没頭していた。
そんな彼女に、真琴が声をかける。

「直姫? 最近ずっとパソコン見てるね……なにしてるの?」

真琴にとっては、機械の類いが苦手そうには到底見えないが、だからといって特別関心があるようにも思えない友人である。
その直姫がここ1週間ほど、時間が空けばノートパソコンと向かい合って何やら単調な作業をしていることが、意外に思えたのだ。


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