インサイド
にっこりと横顔が笑う。笑い方が少し、子供のようだった。子供。
あぁ。男の子だ。
ランドセルを背負い、学校へと駆けて行く小学生の、その時代の遥の姿は、千帆の頭の中に簡単に浮かび上がった。
そんな頃の笑いを残しているなんて、とてもイイ。
「違う曲だね、遥くん。お天気だから?」
「千帆ちゃんは雨、弾けるようになった?」
「音だけなら、なんだよね。なんかやっぱりヘタだよ、私」
笑ったまま、それについてはコメントせずに、遥は身を乗り出して覗いている千帆に譜面を渡した。
「立木先輩が持ってきた遊び曲だよ。先輩、ヴァイオリン取りに行ってる」
ヴァイオリン、て。
あぁ。男の子だ。
ランドセルを背負い、学校へと駆けて行く小学生の、その時代の遥の姿は、千帆の頭の中に簡単に浮かび上がった。
そんな頃の笑いを残しているなんて、とてもイイ。
「違う曲だね、遥くん。お天気だから?」
「千帆ちゃんは雨、弾けるようになった?」
「音だけなら、なんだよね。なんかやっぱりヘタだよ、私」
笑ったまま、それについてはコメントせずに、遥は身を乗り出して覗いている千帆に譜面を渡した。
「立木先輩が持ってきた遊び曲だよ。先輩、ヴァイオリン取りに行ってる」
ヴァイオリン、て。