キミニアイヲ.
だから、こんな自分と友達になりたいだなんて言ってくる雪音が、莉子には理解し難い。



「なんであたしなんかと…?」


「だって愛莉、時々寂しそうにしてるから」



──寂しそう?あたしが?



寂しいだなんて思ったことはなかった…はずだった。


と言うより、一人でいることに慣れすぎて“寂しい”という感情が麻痺してしまった、と言う方が正しいかもしれない。



「愛莉っていつもクールだし、感情表に出さないからわかりづらいけど…
あたしにはそう見える」



“そんなことない”

…と莉子は言いたかったが、雪音の真剣な表情を見ると言葉が出てこなかった。


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