lacrimosa
『―――そうだ、あれ、あれ返す…!あれ返すから…!』
慌ててクローゼットの棚へ駆け寄り、中から宝物を入れたベルベットの箱を取り出す。
(…羽、アンジェロの羽、まだここにあるはず)
そっ、と箱を開いた。
もしかして、もしかしたら…
あの一枚の羽も骨と化してしまっているんじゃないかと。
そんな嫌な戦慄を覚えて、肌が粟立つ。
(…大丈夫。幸せの羽は、きっとまだある)
―――大切な大切な、アンジェロに貰った羽だから
(…あった、)
金の延べ棒を溶かしたように黄金色で、真っ白くミルク色のそれわまだそこにあった。
(…よかった、)
―――幸せの羽、幸福を叶える希望の羽
一枚、その儚い一枚を震える指先で摘んでは手のひらに落とす。
その旋毛が僅かに肌を擽って、心地よい。
消えてしまわないよう、そっともう片方の手を覆い被せてしっかりと両手のひらで握った。
――――タッタッタ、
『あったよ、あったよアンジェロ』