lacrimosa
「間に合った、かな?」
嬉しそうに微笑むアンジェロの頬が、僅かに紅色に染まった。
生気のなかった灰の中に溢れた水が、薔薇色の花を咲かせるように。
ああ、それで。
それでアンジェロは必死で誰かを救おうとしていたんだね。
友達を死なせてしまった罪深い自分自身を救いたくて。
救いたくて、救いたくて。
(…後悔、してるんだね)
友達を、自分を、救いたくて。
「ごめんね、」
何故か意味もなく謝るアンジェロ。
私に嫌われたくないんだね。
『大丈夫、スキだよアンジェロ』
大丈夫だよ。そんなことしなくたって。
『どこにも行ったりしないよ…』
あなたは私を失ったりしないよ。私は死んだりしないよ。
『アンジェロが泣いていても笑っていても怒っていたって、』
有りの侭のあなたが
『―――好きだよ』