お隣サンは元彼クン
息子しかいない前田家にとって、柊二の彼女である私は南ちゃん南ちゃんと相当可愛がられた。

特に柊二ママとは、よく買い物に行った。
『南ちゃんは絶対うちの、お嫁さんになるんだからね!』
とよく言われていた。


うちの家は、私と妹という娘だけの一家で、父も母も柊二の事を息子みたいに可愛がっていた。
特に母は柊ちゃん柊ちゃんと溺愛。

そんな母同士が仲良くなるのも時間の問題だったらしく、いつのまにか柊二の家に帰ったら、うちの母がいるとか逆パターンで柊二ママが、うちにいたとか。そんなんが、しょっちゅうだった。


だから、ずっと続くって思ってた。柊二が隣にいるのは、当たり前だって…


ケンカもよくしてたけど、同じ学校に毎日通ってんだもん。すぐに仲直りできてた。


けど、別れはやってきた。

柊二と私は高校も同じトコに行きたくて、同じ高校を受ける事にした。
昔から絵が得意だった柊二は美術科。私は普通科。
柊二はホントに何でもできたけど絵だけは、ホントすごくて、昔から色んな賞をとっていた。
私が教科書を柊二に貸すと、いつも落書きが書いてあって戻ってきてた。でも、その落書きも、かなり本格的
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