ありえない彼氏
これだけだったら、“それがどうした?”ってなるかもしれない。
ただ、次の日…つまり今日に何かをする約束でもしてただけかも。
でも…でもでもでも…っ。
「天宮ってば、何してんの!?今日は由香の誕生日じゃない!」
佳織が怒った口調でそう言う。
…そう。今日、12月31日は私の誕生日。
そして翔太が出かけている先には、きっとあの女の子がいるんだろう。
別に、私は『私以外の女の子と出かけないで』なんて言うほど、翔太を縛り付ける気なんてない。
私は翔太を信じてるし、翔太も私を信じてくれてるから。
でも、誕生日くらいはずっと一緒にいたかったのに…。