俺の彼女はインベーダー
な、そうか、確かにその可能性はあったな。ボケっとしているようでいて、さすがこういう時は現役の自衛官だ。
気付いたらもう夕日が水平線に近づきつつあった。暗くなる前に小夜ちゃんの家に戻る事にして、俺は小夜ちゃんをおんぶして来た道を戻った。小夜ちゃんは相変わらず俺の背中で「兄様、兄様」と歓声を上げてはしゃぎ回っていた。
小夜ちゃんの家の門をくぐると何ともいい匂いが漂ってきた。家に入って土間の隅をのぞくと、小夜ちゃんのお母さんと桂木二尉がかまどの横で料理を作っていた。この匂いは焼き魚と貝の焼き物だな、多分。ご飯が炊きあがるいい香りもする。俺たちが戻ったのに気付いた小夜ちゃんのお母さんは深々とお辞儀をしながら俺に言った。
「まあ、お疲れになりましたじゃろ?ほんとに無理を言って小夜のお守までさせてしまって」
「あ、いえ、とんでもない!こちらこそ楽しかったですよ。ほんとに気を遣わないで下さい」
「はあ、そう言っていただけると。町外れの一軒家の事でろくなおもてなしも出来ませんが、もうじき夕餉が出来ますから、たんと召し上がって下され」
座敷に戻ると、自動的に動いているコンパクト型スパコンの横でラミエルが、垂れパンダのぬいぐるみみたいになってうつぶせに転がっていた。相当疲れたらしい。一応起きているのを確かめて俺はラミエルに訊いた。
「ラミエル、何か分かったか?」
「あ、早太さん、お帰りなさい。あのタワーのデータを解析しようとしたら、137次元波動関数方程式になってしまって……あたしのスパコンでも計算が終わるのは明日の朝までかかりそうなんですう、うう」
な、何の話かさっぱり分からんが、とにかく明日の朝にならないとはっきりした事は分からないという事らしいな。
気付いたらもう夕日が水平線に近づきつつあった。暗くなる前に小夜ちゃんの家に戻る事にして、俺は小夜ちゃんをおんぶして来た道を戻った。小夜ちゃんは相変わらず俺の背中で「兄様、兄様」と歓声を上げてはしゃぎ回っていた。
小夜ちゃんの家の門をくぐると何ともいい匂いが漂ってきた。家に入って土間の隅をのぞくと、小夜ちゃんのお母さんと桂木二尉がかまどの横で料理を作っていた。この匂いは焼き魚と貝の焼き物だな、多分。ご飯が炊きあがるいい香りもする。俺たちが戻ったのに気付いた小夜ちゃんのお母さんは深々とお辞儀をしながら俺に言った。
「まあ、お疲れになりましたじゃろ?ほんとに無理を言って小夜のお守までさせてしまって」
「あ、いえ、とんでもない!こちらこそ楽しかったですよ。ほんとに気を遣わないで下さい」
「はあ、そう言っていただけると。町外れの一軒家の事でろくなおもてなしも出来ませんが、もうじき夕餉が出来ますから、たんと召し上がって下され」
座敷に戻ると、自動的に動いているコンパクト型スパコンの横でラミエルが、垂れパンダのぬいぐるみみたいになってうつぶせに転がっていた。相当疲れたらしい。一応起きているのを確かめて俺はラミエルに訊いた。
「ラミエル、何か分かったか?」
「あ、早太さん、お帰りなさい。あのタワーのデータを解析しようとしたら、137次元波動関数方程式になってしまって……あたしのスパコンでも計算が終わるのは明日の朝までかかりそうなんですう、うう」
な、何の話かさっぱり分からんが、とにかく明日の朝にならないとはっきりした事は分からないという事らしいな。