鬼に愛された女


まさか、こいつが美月の記憶を封印してた?


美月の従兄と言うなら、こいつも陰陽師なのだろう


と、言うことは、記憶を封印するのはお手の物のはず


「お前、見ていたのか?」


「……あぁ」


「お前が美月の記憶を封印したのか?」


「そうだ。貴様のことを思い出させたくなかったからな」


京助は儚げに、庭の桜の木に目をやる


神威もそちらに一度目をやるが、すぐに京助に視線を移して、こう言った

「あいつは未だにすべては思い出していない。だが、こうして俺を夫と認めてくれた」


「……でも、俺は月子をあきらめないぞ?」


誰かを連想させる言葉に、つい呆気をとられるが、気を取り直して神威は身を引き締めて言う


「そうか。まぁ、せいぜいかんばるといい」


――と、




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