鬼に愛された女
月子、と、誰かがわたくしの名を呼んでいる
誰?晴明様?でも晴明様は今日は出かけておられるはずです
「姉様?どうしたんですか?」
「あ、いえ。なんでもありません……なにやら静かになりましたね。紅葉、あなたはここにいなさい」
月子は紅葉を結界の中に残し、周りの様子を見にでる
「誰もいない……」
御簾から顔を出して廊下を見るが、誰もいない
顔を引っ込めて紅葉のもとに戻ろうとしたとき、腕をつかまれた