鬼に愛された女
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「血の……においが」
神威は鼻を動かして、突然感じたにおいを嗅ぐ
鋼に連れられ、やむなく溜まりに溜まった仕事を片付けていた
だが、風に乗ってここまで伝わってきたにおいに、首を傾げていた
女房が指でもって切ったのか?
なんて呑気に思っていると、遠くの方から足音が聞こえてきた
「神威様!」
名を呼ばれ振り向くと、几帳にもたれかかり、息を整える美月がいた
泣いていたのだろう
頬が濡れていた