鬼に愛された女


「今、なんと?」


「わたくしは神威様のことを好きだと言いました」


「本当なのか?」


「はい」


「本当に本当なんだな」

「はい。……信じておられないのですか?」


「そんなことはない。……美月、俺の妻になって欲しい」


「はい。ふつつかものですが、よろしくお願いします」


美月は頭を下げると、自ら神威に抱きついた


神威は驚いていたが、美月からの抱擁に嬉しく思い、それに応えるかのように強く抱きしめる


神威様。わたくしは幸せ者です


美月の瞳には、一筋の涙が流れた


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