星の船 ー淡い月の鍵ー
(ーーっだぁ!!こんなの私らしくない!)

モヤモヤを振り払うかの様に、頭を振る。

(だめだっ!気になるなら、もうハッキリ聞いちゃえばいいじゃない?
うん!そーだよっ)

覚悟決め、流羽はキリッと顔を上げた。

(そうだ、そうしようっ!きっとなんて事ないんだよ。うん!そうに決まってるっ)


バカだな、何心配してんだ。って柊は笑ってくれる。


いつもの微笑みで。


そう、流羽は願った。

うつむき、祈る様に、

(ーだから、早く…)

ドクン ざわつく心を

(早く戻って来て、柊くん…)

ドクン 震える心を

気のせいだとーー



「おい」

声が聞こえ、柊かと顔を上げた。

(えっ、あ…)

望む姿はなく、



あの黒い男がそこにはいた。




< 30 / 38 >

この作品をシェア

pagetop