合縁奇縁
「ぼ…僕?
僕、待ち合わせなんてしてないんだけど」

しかも、こんな幼い少年をこんな危険な裏道に呼び出すなんてとんでもない。

しかし、呆然としたまま首を横に振る朝生を見た少年は 思いっきり顔をしかめさせる。


「お前は本当に馬鹿者だな。
誰がお前と待ち合わせたなどと言った。
余はここで、待ち人を待っていたのだ。
偶々それがお前だっただけの話だ」

何で理解力のないガキだ、と少年は吐き捨てるように言う。


朝生は、少年の特徴的な言葉に戸惑い 目を白黒させる。

そんな朝生も構わず、少年は組んでいた腕をとき ビシッと朝生に指を突きつけた。

「ま、余のこの恰好を見て何も思わない時点で、お前にはとっくに馬鹿者の烙印を押しているがな」

< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop