合縁奇縁
何が気にさわることでも言ったのだろうかと、朝生は怒りよりも先に 呆然とする。


しかし、朝生はそんな気持ちを叱咤し べったりと額に張り付いた髪を払いのける。

そのまま、誘われるように少年を見上げた。


少年の目は、…熾烈なまでに怒りに燃えていた。

「迷子…迷子だと?
お前は馬鹿か?
一体どこに目をつけている!
僕はここで、出会うべき者に会うために待っていたのだ!
残念ながら、お前のようだがな」


そのまま、物凄い勢いで朝生に罵声を浴びせかける。


その言葉にまた、朝生は呆然と少年を見た。
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