炭坑の子供たち(2)
炭住街の中学校

中学生活

 中学校の事を、大人達は

「しんせい」とか「しんせい中学」と言った。

相変わらず、1組50人、それが10組ある。

小学校同様、木製の机には、先輩達のいたずら書きや、彫刻があるが

中には、職人並みの力作もあった。

中学生になると、小学校6年間、全く気付かなかった、友達の事実が判明する。

小学校卒業ギリギリまで、ハイカラと言われる長髪だったのが

全員坊主頭になる事によって

髪と言うベールに包まれていた秘密が

白日のもとにさらされる結果となったのだ。

10円玉程の大きさの、10円ハゲ

真ん中に少し毛の残った、5円ハゲ

小さなハゲが無数にある、ゴマハゲ

二の字二の字の、下駄ハゲ

刀で斬った様な、刃傷ハゲ、などである。

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