shining☆moon‐私の王子様‐


私を抱きしめる男の子からはジャスミンの香りが私の鼻をくすぐる。


これが男の子の匂いなのかな……?


私は泣き止んで男の子に涙を拭われた。


「…全く、泣き虫は変わらないんだね…よしよし…」


私は男の子を見た。


夢の王子様が私の前にいる…

夢の中だからきっと会えないと思ったからだ。


なのに…なのに…


「…あなたは、フレン…ロザフォース……?」


男の子は目を丸くして私を見つめた。


するとニッコリ笑って、恥ずかしそうにうつむいた。


「…覚えててくれたんだ……」


男の子は私の頬に手をあてて真剣な眼差しをして私に言った。


「…ヴィンセント・シュナイザーに何された…?…」


私の体はビクンッと反応した。

首もとに違和感を感じる。


「…血…吸われた…」

「っどこを?!」



男の子は驚いた表情をした。

私はヴィンセントに血を吸われたところを見せた。


男の子は私の首に近づき、ヴィンセントのように血を吸う体勢にになった。


「……いやっ…!」

「…ユリア…」

「さっきから何!?ユリア、ユリアって!誰かの名前?!私はユリアじゃない…私は……」



あれ…?
私なんて名前だったっけ…

私は誰なの…?
やだっ!
…私自身が怖い……


怖いよ……



「…ユリアは君の事だよ。何も恐れる事はないよ…、君には俺がいる。俺がユリアを守るから……」


私の震える肩をそっと抱きしめた。


「…消毒……していい?」

「…うん……」


そう言うと男の子は私の首に優しく舌をのせた。


私は何も拒まなかった。

男の子を見ると安心するし、この匂いが愛しく、懐かしい感じがするから……





私はその時決意した。


私はフレン・ロザフォースに全てを託そうと…










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