恋人 × 交換!? 【完】
「…………!?」
肩をがっちりと持たれて、身体がびくともしない。
見開いた目には、ドアップの黒ぶちメガネ。
そしてやっぱり、相変わらず、唇が何かとくっついてる。
(もしかして、もしかして……くっついてるのって、奏の唇?ってことは、これ……)
――本物の、キス!?
激しくつかまれた肩とは反対に、唇に触れるそれは、優しくて温かい。
覚悟の暇なくされたキス。
目を閉じるのをうっかり忘れて、私は近すぎてぼんやりとしか映らない奏のメガネを凝視してた。
やがて、「チュ」という短い湿った音がして、唇と唇が離れた。