先生とあたしの子育て〜愛する家族〜
番外編②~永遠の初恋物語~
『大人』になった君へ
【剣人】
…今思えばこの頃の俺は、美羽のことを"妹"として大切で好きだった。
でも、それが『恋愛感情』の始まりになるなんて夢にも思わなかった。
学校の帰り道。
俺は彼女の"石田(いしだ)くるみ"とウチに一緒に帰っていった。
「ねぇ、剣人。家に行っていい?」
「えっ、なんで?」
「わかってるくせに…」
そう言って、くるみは俺にキスをした。
…ああ、そういう事ですか。
「ん、いいよ」
くるみとは、高2の時に告白されて付き合い始めた。
別に『好き』とか『嫌い』とかの感情は俺にはなかった。
俺はいったい、なにを考えてくるみと付き合っているのだろう?