お嬢様、家出しちゃいます!
「い、いのですか?」
リリアはびっくりした。
いつものソフィアなら
「何を言ってるの!?あなたがいないこのお屋敷なんて、考えられないわ!」
とか言いながらわんわん泣かれると思っていた。
「あなたは自分のやりたいことなら意地でもやる子じゃない。止めても無駄でしょ?」
ソフィアは上品な顔を崩して子供がイタズラを成功させた時のように意地悪く笑った。
「お母様ぁ~。ありがとう!」
リリアは思いっきりソフィアに抱きついた。
「ふふふ。じゃあ、荷造りをしなきゃね?」
2人は手をつなぎ、仲良く部屋を出ようとした。
「っっっと待ったーーーー!!」
皆さん、お忘れかとお思いですが、浩太郎です。
今の今まで固まっていたのです。
なんというky!
「なに勝手に話進めてくれちゃってるんだい?ここの主は僕だよ?」
あわあわあわ
浩太郎は非常にテンパっていた。
「そうですけど・・あなた、ようやく目覚められましたのね?」
ソフィアは完璧に浩太郎の存在を忘れていた。
「うん。おはよう!・・じゃなくてぇぇ!!」
一人ノリツッコミ
おっさんがやると正直イタい(笑)
「お黙りなさい!今回の件私がすべて責任を負います。なので、あなたは静かにお仕事なさっててください」
パタン
ソフィアは凛とした声で言い、リリアと共に部屋を去った。