君桜



そう。車の中ですよ、ここ。


学さんの車を運転している姿、好きだなァ…。


カッコいいし…。うん。カッコいい。


「…ところで、葉奈?」


「うん?」


赤信号で止まったのを見計らってか学さんがこっちを向いた。


「その箱、なんだ?」


「――あ…」


あたしの膝に抱えているあの持ってきた箱を指差す。


これ、は――…


ホントは家に帰ってから学さんに全部話そうと、思ったんだけど…。


勝手に出てって迷惑かけちゃったわけだしやっぱりその理由は話したほうがいいと思ったんだ。


学さんだから話すんだよ?


学さんには知ってもらいたいから話すんだ。


でももし、


話して嫌われたらどうする?


学さんはあたしを捨てるようなことはしないとは信じているけれど、


気まずくなっちゃうんじゃないだろうか…。




あれ?


そう言えば。


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