冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●14
どうしても!
メイは、ドアを開けて部屋の中に飛び込むなり、ベッドの中に潜り込んだ。
自分の行動力が信じられなかったのである。
どうしても――我慢できなかったのだ。
一度は、収まった気持ちだと思っていたのに、やっぱりダメだった。
あのぶらさがったネクタイが、どうしても気になってしょうがなかったのだ。
ダメだろうと思った。
それなのに、部屋を出た。
どうせ、もう彼は近くにいないと、分かっていてドアを開けて外を覗いたのである。
カイトがいなければ、どんなに我慢できなくても、どうしようもなかった。
自分をあきらめさせるつもりだったのに。
しかし、彼はまだ階段のところにいたのである。
目があった。
かぁ。
その時。
彼の驚いたようなグレイの目を見た時、メイは頭が熱くなるのを感じた。
いや、頭じゃない――顔だ。
瞬間、頭の配線がひきちぎれた。
おかげで、自分が自分でも分からない部分で動いたりしゃべったりするコトがあるのだと、初めて知るハメなったのだ。
だから、こんな恥ずかしい格好で飛び出していき、ワケの分からないことを口走りながら、勝手に彼のネクタイを締めてしまったのである。
手が、ネクタイの締め方をしっかり覚えていてよかった。
でなければ、落ち着かない余り、彼の首を絞めていたかもしれない。
後はもう、逃げ帰ってくるだけだった。
また、カイトに怒鳴られてしまう前に。
毛布を頭からひっかぶりながら、さっきの自分の所行を思い返して、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「…………!」
廊下から、彼が何か怒鳴るような声が聞こえる。
びくっと彼女は震えた。
さっき自分のしたことについて、彼が怒っているのではないだろうかと思ったのだ。
またここに、怒鳴りに戻ってくるのでは、と。
しかし、遠くで何度か声が聞こえた後――静かになった。
どうしても!
メイは、ドアを開けて部屋の中に飛び込むなり、ベッドの中に潜り込んだ。
自分の行動力が信じられなかったのである。
どうしても――我慢できなかったのだ。
一度は、収まった気持ちだと思っていたのに、やっぱりダメだった。
あのぶらさがったネクタイが、どうしても気になってしょうがなかったのだ。
ダメだろうと思った。
それなのに、部屋を出た。
どうせ、もう彼は近くにいないと、分かっていてドアを開けて外を覗いたのである。
カイトがいなければ、どんなに我慢できなくても、どうしようもなかった。
自分をあきらめさせるつもりだったのに。
しかし、彼はまだ階段のところにいたのである。
目があった。
かぁ。
その時。
彼の驚いたようなグレイの目を見た時、メイは頭が熱くなるのを感じた。
いや、頭じゃない――顔だ。
瞬間、頭の配線がひきちぎれた。
おかげで、自分が自分でも分からない部分で動いたりしゃべったりするコトがあるのだと、初めて知るハメなったのだ。
だから、こんな恥ずかしい格好で飛び出していき、ワケの分からないことを口走りながら、勝手に彼のネクタイを締めてしまったのである。
手が、ネクタイの締め方をしっかり覚えていてよかった。
でなければ、落ち着かない余り、彼の首を絞めていたかもしれない。
後はもう、逃げ帰ってくるだけだった。
また、カイトに怒鳴られてしまう前に。
毛布を頭からひっかぶりながら、さっきの自分の所行を思い返して、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「…………!」
廊下から、彼が何か怒鳴るような声が聞こえる。
びくっと彼女は震えた。
さっき自分のしたことについて、彼が怒っているのではないだろうかと思ったのだ。
またここに、怒鳴りに戻ってくるのでは、と。
しかし、遠くで何度か声が聞こえた後――静かになった。