冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
カイトを殴り倒してでも逃げようとしなかったのだ。
それが、彼を我に返らせたのである。
そんな都合のいい話が、あるはずがなかった。
となると、答えはもうたった一つしかない。
借金があるから。
カイトが、恩人だから。
だから、彼女はイヤだと言わなかったのだ。
イヤじゃないハズがない。
誰が、思いもしていない男に、無理矢理抱かれたいと思うのか。
欲しいという感情だけが暴れ出して、手綱を振り払ったのである。
暴れ馬は彼を振り落とし、メイを踏みつけにしようとした。
いや。
もう踏みつけにしたも同然だ。
あんなに信用してくれていた彼女を、カイトは力まかせに裏切ったのである。
これでは、金にあかせた連中と、何一つ変わらないではないか。
借金の恩のせいで抵抗できない彼女に。
最低の人種だった。
よろけるように、メイから離れる。
ベッドからも降りた。
一歩後ろに下がる。
もう一歩。
あれだけのことをしてしまって、どうして側にいられよう。
今度こそ、悪い夢だと誰かに言って欲しかった。
彼女が行方不明になるところから、全部夢だと。
誰か言え! オレを起こせ!
でなければ、本当にメイを失ってしまう。
しかも、今度は自分自身の手で終わりにしてしまったのだ。
カイトを殴り倒してでも逃げようとしなかったのだ。
それが、彼を我に返らせたのである。
そんな都合のいい話が、あるはずがなかった。
となると、答えはもうたった一つしかない。
借金があるから。
カイトが、恩人だから。
だから、彼女はイヤだと言わなかったのだ。
イヤじゃないハズがない。
誰が、思いもしていない男に、無理矢理抱かれたいと思うのか。
欲しいという感情だけが暴れ出して、手綱を振り払ったのである。
暴れ馬は彼を振り落とし、メイを踏みつけにしようとした。
いや。
もう踏みつけにしたも同然だ。
あんなに信用してくれていた彼女を、カイトは力まかせに裏切ったのである。
これでは、金にあかせた連中と、何一つ変わらないではないか。
借金の恩のせいで抵抗できない彼女に。
最低の人種だった。
よろけるように、メイから離れる。
ベッドからも降りた。
一歩後ろに下がる。
もう一歩。
あれだけのことをしてしまって、どうして側にいられよう。
今度こそ、悪い夢だと誰かに言って欲しかった。
彼女が行方不明になるところから、全部夢だと。
誰か言え! オレを起こせ!
でなければ、本当にメイを失ってしまう。
しかも、今度は自分自身の手で終わりにしてしまったのだ。