冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□143
ガクゼン、とした。
氷水をぶっかけられた気分だ。
全身が冷たくなって硬直する。
心臓が止まってしまいそうなくらい、彼はこの現状に打ちのめされたのだ。
メイが―― 目を閉じていた。
震えている瞼が濡れていて、涙の伝った跡がある。
衣服もメチャクチャだ。
それなのに、彼女は身体の力を抜いたのである。
その瞬間、彼の心臓は掴まれた。
凍りついた金属の爪に。
今度は、ゴーストではない。
事故でも偶然でも間違いでも何でもない。
自分自身だ。
彼が、メイをこんな風にしてしまったのである。
あ…。
呆然と、彼女の手首を離した。
もう、触れていられなかったのだ。
手首には、くっきりとカイトの指の跡がついていた。
細い指先が真っ白になっている。
それほど強く掴んでいたのだ。
オレは…オレは…。
大事にしたかった。
幸せにしたかった。
笑っていて欲しかった。
なのに!
なのに。
これは、何だ。
無理矢理、メイをベッドに引きずり倒し、衣服をむしり取り、彼女を震えさせ――
そして、力を抜かれたのだ。
彼女は、抵抗をしないつもりだったのである。
ガクゼン、とした。
氷水をぶっかけられた気分だ。
全身が冷たくなって硬直する。
心臓が止まってしまいそうなくらい、彼はこの現状に打ちのめされたのだ。
メイが―― 目を閉じていた。
震えている瞼が濡れていて、涙の伝った跡がある。
衣服もメチャクチャだ。
それなのに、彼女は身体の力を抜いたのである。
その瞬間、彼の心臓は掴まれた。
凍りついた金属の爪に。
今度は、ゴーストではない。
事故でも偶然でも間違いでも何でもない。
自分自身だ。
彼が、メイをこんな風にしてしまったのである。
あ…。
呆然と、彼女の手首を離した。
もう、触れていられなかったのだ。
手首には、くっきりとカイトの指の跡がついていた。
細い指先が真っ白になっている。
それほど強く掴んでいたのだ。
オレは…オレは…。
大事にしたかった。
幸せにしたかった。
笑っていて欲しかった。
なのに!
なのに。
これは、何だ。
無理矢理、メイをベッドに引きずり倒し、衣服をむしり取り、彼女を震えさせ――
そして、力を抜かれたのだ。
彼女は、抵抗をしないつもりだったのである。