不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
俺はサッカー部のグランドにいた。

監督に暫く休部する事を伝える為だった。


――みずほの事件が解決するまで、サッカー休ませてくれるかな?


――今のままだとサッカーどころじゃない!!

体も心も悲鳴を上げそうだった。


俺からサッカーを取り上げたら何も残らない。

解ってはいても……




隣のクラスの橋本翔太がレギュラーの座を射止めたと噂では聞いていた。
でも今はみずほの事で精一杯だった。


――監督が聞いたら怒るかな?

俺は内心では、ドキドキしていた。




「おっ、磐城。彼女の事聞いてるよ。大変だったな」

俺が挨拶する前に、監督が言ってくれた。
その好意が嬉しくて、俺は深々と頭を下げた。
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