不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
 『試合頑張ってね』
みずほはそう言いながら、ありったけのラブをチューニューしてくれた。


何時もより激しいキスに戸惑った。
俺と離れたくなかったのだろうか?
そのままずっと見つめるみずほ。


でも俺は試合を選んだ。


出発する前に、みずほがもう一度キスをせがんだ。

それなのに、俺は周りを気にしてた。

俺だってしたいよ。
脳天までカーッと熱くなるような濃厚なキスが。

でも大事な試合が俺を待っているんだ。


どうしてもレギュラーになって、エースになって、みずほに相応しい男になろうと思っていたんだ。


だってみずほは学年きっての優等生で、誰もが羨む秀才だったんだ。


でも俺は……
スポーツしか能のない落ちこぼれ。

そう、雲泥の差。
みんなに不釣り合いだと馬鹿にされていた。




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