不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
俺達はカフェのテラス席に座った。


「転校するの?」


「ママの為かな」


――えっ!
と思った。
でも、俺は本当は知っていた。


「先生の為か?」
俺が言うと有美は驚いたような顔をした。


「知ってるの?」

俺は頷いた。


「だったら早い」
有美はそう言いながら、先生のツーショット写真を見せた。

グレーのスーツの女性と紺の上下の先生。


それは……
《イワキ探偵事務所》
の封筒に入っていた。


「誰にも言わないでね。パパ、これを見て心臓麻痺を起こしたの」
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