不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
 このチャンスを逃したら、当分レギュラーにはなれない!

そんなこと判っている。

でも今更遅い!
遅過ぎる!


(――お願いだー!
監督! 俺にもう一度チャンスをくれー!

――みんなー! 俺が居なくても何とか勝ってくれー)


俺は自称。
サッカー部のエース。
その自称を外したくて……
本物のエースナンバーを付けたくて頑張って来た。


(――だって中学時代は本当にエースだったんた。

――背番号だって何時も《10》を付けていたんだ)

そう……
誰もが憧れるエースナンバー《10》を。


でももう後戻りは出来ない距離だった。
グランドに居る仲間に詫びながら、俺はとにかく学校へ戻ることを選択していた。




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