それでも朝はやって来る
「問題はない。今日、ここへ来たことを忘れるだけだ」


悠里が心配そうに肩に手を置こうとした。


「触らないで!!」


朝子は悠里と真楯を睨み付けた。


「あなた達、一体何なんですか?」


現実離れしたあの奇妙な力や、悠里の呪い…黄金率の自分の体。



もう嫌だ…

こんな生活は…



頭の中がグジャグシャで考えがまとまらない。

涙が後から後から流れてくる。


キャパオーバーかも…



意識が遠退いたが、悠里の暖かい腕に抱き止められた。



「巻き込んで悪かったな…


俺らがなんなのか…俺もわかんねーんだよ」


それきり朝子は、意識を失った。


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