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第一章 卒業式
パチッ、と目が開いた。


自然な目覚め……ケータイのアラームよりも早く起きるのは久しぶり。



薄緑色のカーテンを勢いよく開け、朝の光を思いっきり身体に浴びる。


全身の細胞が、一斉に活動を始める……ような気がする。





朝だぞ、起きろー。

桜(さくら)の身体を動かすんだー。


 
……なーんて。




私、有宮(ありみや)桜にとって、今日の朝は特別なものだ。

なんといっても……。



「桜! さっさと起きなさい! まったく、卒業式にまで遅刻なんて……」

「起きてるよ!」



一階から叫ぶお母さんの声に反論して、大きく息をつく。


そう、今日は卒業式!
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