言葉にしなきゃ伝わらない。
「か・・和馬?・・下ろして....」
「うぉっ!?ごめん・・・」
私が勇気を出して言うと慌てたように下ろしてくれた。
「ごめんな?」
そう言って眉を曲げて謝る和馬。
・・・カッコいい...
いつも一緒にいるのに・・・何でこんなこと思っちゃうんだろう?
とんって私の頭に“また”手を置いて撫でる。
「わ..和馬!!」
“また”、髪をぐちゃぐちゃにされていく
「なんかさ美月の髪って気持ちいんだよな~」
そう言って笑みを浮かべる和馬を見ると何だか、嬉しいような気持ちになる。
「そ・・そう?・・・って夏乃!?」
その瞬間、思いっきり右腕を掴まれた私
ぐいっと引張られ、夏乃の胸に収まった。
「和馬っ美月で遊ぶのもいいけどさ、早く学校行かないと遅刻しちゃうんだけど!?」
眉を吊り上げてお怒りモード全開
でも、そう言いながらも私の体はがっちりロックされているわけで・・・
「はいはい、でもさ言ってることと、やってること矛盾してんぞ?」
私を指さしながら生意気そうに言い放った和馬
「ち・・違う!!これは和馬から美月を助けたの!別に美月に抱きつきながら登校したいとか思って無いんだからね!!!」
顔を真っ赤にしながら私を、さらに強く抱きしめる夏乃さん....確かに和馬の言うとおり矛盾してるような・・・・。
「今日もツンデレだな」
あはは、と笑いながら足を進めた。
私は和馬に乱された髪を、そっと直しながら夏乃から離れる。