言葉にしなきゃ伝わらない。
そっと美月の方から腕を離す。



美月は不思議そうに俺を見て、また・・・あの冷たい瞳を俺に向ける。



「なぁ、美月。俺の事な...優心って呼んで、これ絶対な!」


漢字を打ち込んでおいた携帯画面を一気にクリアにし、美月に渡す。


「太陽の“陽”に向くの“向”なっ!それで陽向やから。ほんで・・・」



続きを説明しようとしたら、美月がいきなりその場を立った。


『ごめんなさい』


そう言って俺の携帯を戻し月見崖から離れて行った。



深い闇が広がる瞳は・・・より一層、濃く深く広がっているように見えた。


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