スカイ
放課後。
今日は金曜日。
当番の日だ。
掃除を終え、私は図書室に向かった。
静かな図書室。
扉はすでに開いていた。
「早いね」
「掃除なかったから」
気のせいかもしれないけど、
最近、『ああ』が減った気がする。
さっきの由香の言葉思い出すと、変に意識しちゃう。
それと、メールのこととか…こないだ、慰めてもらったこととか…抱きしめてもらったこととか、思い出すと恥ずかしくなる。
同時に、胸のあたりがきゅーってなる。
なんなんだろ、この感じ。
「市川、大丈夫か」
「へ?」
「顔赤いぞ」
「えっ、あ、はは」
意識してるからかなぁ。
前田くんはなんともないのかな。
「そっ、そういえばさっ、男女混合リレー、一緒だね!」
一瞬、前田くんの体がぴくって動いた。
でもまたすぐに戻って
「そうだな」
と言った。
なんだったんだろ…まあいいか。
「頑張ろうね!」
「ああ、よろしく」
今日は、誰も人が来ない。
静かな図書室。
違和感。
「静か…」
「あいつ来ないな」
「あ、水城くんがいないからかぁ」
そういえば水城くんは、あのあと前田くんがうまく言ってくれて、何も気にしなかったようだ。
何も言われなかったし。
それにしても。
いつもうるさいって言ってるけど、やっぱり前田くんは水城くんに来てほしいのかな。
なんか寂しそうな顔してるしな…。
「市川」
ぱっ、と前田くんがこちらを振り返った。
「ふぇっ?」
今まで見てたから、驚いた。
顔、近いし。
「今日はもう閉めよう…
って、やっぱり顔赤いぞ。熱か」
「う、ううん。大丈夫」
「じゃあ帰るか」
前田くんは図書室のカギを持って、扉を開いた。
赤い顔のままそれに続く。
それから前田くんにカギを職員室に返しに行ってもらって、部活に向かった。
もうっ。
由香が変なこというから…。