スカイ

合唱練習の後にさらに図書委員もあったせいで、部活に行くのが遅れてしまった。

「失礼します」

そう言って、格技場に入る。
もう練習は後半まで進んでいた。

私は急いで着替えて、防具をつけた。
すると、中川がこちらに寄ってきた。


あれ以来、一度も話してない。
少し緊張した。

「市川、何やってたの」

ぶっきらぼうに言う。
前は名前呼ばれただけで飛び上がるほど嬉しかったのに、しかも、『何やってたの』なんて自分のこと聞かれたことなかったのに、嬉しくなってたはずなのに、今は何も思わない。変な感じだ。

「ごめん、図書委員で」

「あ、そうか」

中川も私が告白したことなんて全く気にしていない様子。

「こいつ余ってるから、準備出来たら稽古相手してやって」

そう言って中川は稽古に戻っていった。

私は急いで防具をつけ、余っている子と稽古を始めた。



…今まですっごく好きだった人が好きじゃなくなるって、こんなに変な感じなんだな。

今は、なんで好きだったんだろ、なんて思ってしまう。



それで、今私は誰にも恋してないのかな?

わからないや。

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