スカイ


「…その………ご…ごめんなさい。」


まさか謝られるとは思ってなかった私は驚く。
今まで見てなかったから気づかなかったけど、前田くんずっと、困ったような悲しいような表情をしている。

「…正直…合唱とか面倒くさいけどさ…」

むっ。

「あーいや…だけど、そうだよな、ごめん。……これからは、頑張るから…」

私はしばらく、前田くんの顔を見つめる。
前田くんは下を向いている。顔はほんのり赤い。




「………許すっ」

私は笑顔で言った。
前田くんはぱっ、と顔を上げて驚いている。

「でも月曜日から、ちゃんと歌ってなかったら許さないからね」

「分かった」



それで、その日は図書室を閉めた。

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