三度目のキスをしたらサヨナラ
外に出ると、空は一面灰色の雲。

今にも雪か雨が降り出しそうな天気だった。


そういえば昨日ニュースで、今夜遅くから天気が崩れるって言ってたっけ……。

深夜にしてはテンションの高い気象予報士が、2月にしては珍しくまとまった雨になるだろうと、やけに嬉しそうに話していたのを思い出す。


「雨、か……」


もう一度傘を取りに部屋へ戻るのは面倒くさかった。

「たまには、濡れて帰るのもいいかな……」

私は重苦しい空を見上げながら、そのまま駅へと向かった。
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