三度目のキスをしたらサヨナラ
「だって、ホテルまで会いに行ったんでしょ?」
グラスとおしぼりを並べる私の存在は軽く無視され、彼女たちの会話は続く。
「うん……。だけど断られちゃった。他に好きな人が出来たんだって」
──心臓が、止まるかと思った。
「えぇー! あり得ないでしょ。リョーコが別れ話切り出して、たったの2日か3日でしょ?」
「海くん、別れたくないって言ってたんじゃないの?」
彼女たちはそんな会話をしながらメニュー表を眺め、器用に会話の合間を縫って注文をする。
「コーヒー下さーい」
「私はチョコレートパフェ」
「あ、美味しそう、私もやっぱりそれで-」
その様子を静かに笑って見ていたリョーコちゃんは、注文を済ませた友達からメニューを手渡されると、それに目を落としながら話を続けた。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうね。……海の気持ちが重くて、別れたいって思ったのは本当だったのよ? だけど、後からすぐに後悔しちゃって」
リョーコちゃんの向かいに座っていたリーダー風の彼女は、リョーコちゃんの話に無言で頷きながら、メニュー表のカフェオレを人差し指でなぞった。
──カフェオレひとつ、ということらしい。
私は必死に自分を落ち着かせながら、その注文を書きとめた。
「……会いに行ったのは別れ話をした2日後だったんだけど、その時、海は全然私のことを見てくれなくて、考え事ばかりしてて」
リョーコちゃんはパタンとメニューを閉じながら、笑った。
「……私、海は私が何を言っても許してくれるって、うぬぼれてたみたい」
グラスとおしぼりを並べる私の存在は軽く無視され、彼女たちの会話は続く。
「うん……。だけど断られちゃった。他に好きな人が出来たんだって」
──心臓が、止まるかと思った。
「えぇー! あり得ないでしょ。リョーコが別れ話切り出して、たったの2日か3日でしょ?」
「海くん、別れたくないって言ってたんじゃないの?」
彼女たちはそんな会話をしながらメニュー表を眺め、器用に会話の合間を縫って注文をする。
「コーヒー下さーい」
「私はチョコレートパフェ」
「あ、美味しそう、私もやっぱりそれで-」
その様子を静かに笑って見ていたリョーコちゃんは、注文を済ませた友達からメニューを手渡されると、それに目を落としながら話を続けた。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうね。……海の気持ちが重くて、別れたいって思ったのは本当だったのよ? だけど、後からすぐに後悔しちゃって」
リョーコちゃんの向かいに座っていたリーダー風の彼女は、リョーコちゃんの話に無言で頷きながら、メニュー表のカフェオレを人差し指でなぞった。
──カフェオレひとつ、ということらしい。
私は必死に自分を落ち着かせながら、その注文を書きとめた。
「……会いに行ったのは別れ話をした2日後だったんだけど、その時、海は全然私のことを見てくれなくて、考え事ばかりしてて」
リョーコちゃんはパタンとメニューを閉じながら、笑った。
「……私、海は私が何を言っても許してくれるって、うぬぼれてたみたい」