三度目のキスをしたらサヨナラ
一方の彼女は、地元に帰ってくるのは年に1,2回だったという。

「彼女に、もっと帰ってもらえばよかったじゃない」

「そうなんだけどねー。アイツも勉強が忙しそうだったし」

「いやいや……」

いくら大学の勉強が大変だからって、2浪中の受験生に比べれば余裕があると思うんだけど。

だけど、そんな私の言葉は彼に遮られた。

「いいんだ、言いたいことは分かってる」

「……」

「それでも俺は彼女に会いたかったんだ。だからアイツは悪くないよ」

彼は、私が彼女を責めようとしたのに気がついて、それを拒もうとしているように見えた。

「でも、おかげで東京の地理にも詳しくなったし、これなら大学生活に困らなくていいよ」

「そういうことは、合格してから言わないと……。それに、受験に合格すればもう遠距離恋愛しなくてすむんじゃない?」

そう言ったんだけどねーと、彼は首を横に振りながら笑った。

……それでもダメってことなんだ。
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