三度目のキスをしたらサヨナラ
「ううん、デートの邪魔しちゃ悪いから」

「やだ、そんなこと気にしないでよ。大和も久しぶりに3人で会いたいって言ってるし、ねっ?」

大和というのは、多華子の彼の名前。

「でも、私まだパジャマだし」

「準備ができるまで待つよ?」


その時、タイミングよく玄関のチャイムが鳴った。


「ほら、迎えがきたよ。行ってらっしゃい」

「でも……」

私は、私のことを気にして立ち尽くす親友の肩を抱き、そのまま強引にドアのほうへ押しやった。

「誘ってくれてありがとう。大和くんにもよろしくね」

多華子が玄関までの短い距離を何度もこちらを振り返りながら歩き、玄関で靴を履くところまで見届けると、私は静かに部屋のドアを閉じた。

扉の向こうから、チェーンを外してドアを開ける音とともに、
「もーうっ、来るのが早すぎるよっ!」
という多華子の声が聞こえてきた。

その声がなんだかかわいくて、私は思わず頬を緩めた。

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