三度目のキスをしたらサヨナラ
「ねぇ…ミナさん」
まるで包み込むように私の手を掴んでいたソウの大きな手が、いったん離れた。
そしてすぐに、今度は優しく、指を1本1本絡めるように重ねられる。
思わず、私はその手を引っ込めてしまいそうになった。
だって……なんだか恥ずかしくて。
こんな手の繋ぎ方をしたのは何年ぶりだろう。
そんな動揺をソウに知られたくなくて、私は風を受けて顔にまとわりつく髪をかきあげながら、精一杯冷静なふりをしてみせた。
「なあに?」
落ち着いた顔を作ってソウを見上げると、いつの間にかそこからは泣き出しそうな子供の表情は消えていた。
そして、無事“涙”を乗り越えたいつものソウは、
「やっぱり……やめとこう!」
そう言って笑った。
「今夜は、お酒を飲まなくてよかったよ」
「どうして? 泣き上戸なの?」
「それもあるけど……お酒なんか飲んだりしたら、俺、調子に乗ってミナさんのこと口説いちゃいそうだ」
思いがけないソウの言葉に、絡み合った指が思わずビクッと反応してしまった。
まるで包み込むように私の手を掴んでいたソウの大きな手が、いったん離れた。
そしてすぐに、今度は優しく、指を1本1本絡めるように重ねられる。
思わず、私はその手を引っ込めてしまいそうになった。
だって……なんだか恥ずかしくて。
こんな手の繋ぎ方をしたのは何年ぶりだろう。
そんな動揺をソウに知られたくなくて、私は風を受けて顔にまとわりつく髪をかきあげながら、精一杯冷静なふりをしてみせた。
「なあに?」
落ち着いた顔を作ってソウを見上げると、いつの間にかそこからは泣き出しそうな子供の表情は消えていた。
そして、無事“涙”を乗り越えたいつものソウは、
「やっぱり……やめとこう!」
そう言って笑った。
「今夜は、お酒を飲まなくてよかったよ」
「どうして? 泣き上戸なの?」
「それもあるけど……お酒なんか飲んだりしたら、俺、調子に乗ってミナさんのこと口説いちゃいそうだ」
思いがけないソウの言葉に、絡み合った指が思わずビクッと反応してしまった。